製品ファイルVol.13
〜 カスタムオーダー 〜
当工房でご用意しているモデルは基本的にミディアムスケールです。ショートスケールモデルも同様に揃えています。ネックはSTMと概ね同じでネックエンドの幅を同等にするのでブリッジの弦間ピッチは10.5mmピッチ以下にしています。STMシリーズは指板が240Rですが305Rを基本仕様にしています。基本的なコンセプトは故 成毛滋氏が提唱していた仕様です。
手が小さい日本人が海外のギタリストと同じ様に演奏することが出来るようにロングスケールのストラトキャスターにミディアムスケール組み合わせたもので当初はSquierブランドでしたが、後にFender JapanよりST314として販売されました。そしてさらにボディをスケールの比率で縮小したSTMやSTSに進化させてジャパンはなくなりましたがAerodyne Stratでミディアムスケールモデルとして販売されています。STMやSTSは当時の国産の量産品と同等の価格で販売されていました。
高校生だった頃の私はフェンダー系よりもレスポールモデルが好きだった事からミディアムスケールに拘りがありました。その頃はエレキギターについての情報も少なくてラジオから流れる成毛先生のパープルエクスプレスをフェーディングと某国の日本語放送と戦いながらチューニングを合わせて聴いていました。ですので個人で製作していますので量産品並みとはいきませんが、出来る限りリーズナブルな価格でカスタムオーダーを製作したいと言うコンセプトは引き継いでいるつもりです。
DG工房ではストラトキャスタータイプをはじめとして全てのモデルはミディアムスケールまたはショートスケールのナローネックで10.5mmピッチブリッジですが、製作をご依頼いただく際に追加工賃無しで選択いただけたり、ご指定いただける仕様が多数あります。演奏する上で特に重要なネックの仕様はかなり細かいご指定まで基本料金でうけたまわります。
DG工房の製品は基本的に受注生産で、価格内でネックのカスタマイズやストラトではコンター加工の大きさやボディカラーが選択いただけるようになっています。通常のカタログ製品のボディカラーや指板を選択する感覚でナット幅やグリップ形状、フレット等をお好みで選択いただけるセミオーダー的な機種になっています。
ボディ材の選択やラミネイトボディ、ドロップトップやカーブドトップ仕様も全ての機種で追加工賃で可能になります。ピックアップやパーツは基本仕様との差額で変更することが出来ます。さらにはお客様のボディやヘッドのデザインで製作もうけたまわっております。ロングスケールやPRSの25インチスケール等での製作もいたします。
オーダーのお問い合わせフォームもどきはかなり不完全なままでご迷惑をお掛けしております。お問い合わせ等はモデル名にご希望の仕様やパーツをお書き添えいたけましたら、ご希望の確認等をさせていただくこともありますが、お見積もりいたしますのでお気軽にお問い合わせください。以下から基本仕様で追加料金なしで選択いただける内容等についてご説明させていただきます。
◇ ネック ◇
特に拘りは無いとおっしゃるギタリストの方にも弾きやすく感じたりお気に入りのネックは何となくでもあるのではと思います。グリップは形状の他にも厚みや幅等により感じがかわります。ですので厚みと形状の組み合わせとナット幅をお好みに指定いただくと、かなりご希望に近い仕様にする事が可能だと考えています。私自身もグリップ形状には最も注意して製作をしてきました。
LPタイプやISC等の角度付ヘッドのモデルも増えてきましたが、工房で数多く製作してまいりましたストラトキャスタータイプのネックを例に角度無しヘッドネックの基本でご指定が可能な仕様をご説明させていただきます。角度付ヘッドのネックでも基本的には同じです。
楽器店に並んでいるギターのナット幅は42mm程度が標準だと思います。ギブソン系ですと43mmも多いと思います。私が長年愛用しているPE-Rは43mmで少々広すぎると思っていたのですが、22フレットの幅が55mm程度でブリッジが10mmピッチで大胆なヒールレス加工がされているので意外に不満はありませんでした。
数年前に同機種を中古で入手してナット幅を40mmにする大改造をしましたが、今度は少し狭すぎる感じがしました。私の場合は小さいだけでなくて少々太い指なのでローコードが押さえにくいと感じました。最近は41mm程度がちょうど良く感じます。ナットは無漂白牛骨が基本仕様で、カーボン、ブラス等は追加料金をうけたまわります。
量産品には個体差がありますので、計測してみると意外に微妙に違っていたりしますので、その差もそれぞれの好みに反映させるのだと思います。ちなみに私の所有するSTMはほぼ41mmでした。ただグリップ形状が少しカマボコに近く状態もあまり良くなかったので現在はリペア待ち?の状態です。話をネックの仕様に戻します…。
DG工房のグリップはSTMを基本としていますので、ナット幅は通常40mmで製作します。製作をご依頼いただく際には38mm〜45mmで0.5mm毎にご指定いただけます。サンプルネックをお送りいただいて同様の幅をご希望の場合も基本仕様内の作業といたします。
ネックをカスタムメードで製作するのに最初にイメージするのがグリップ形状だと思います。当工房では1フレット19mm厚12フレット21mm厚の薄めのUシェイプです。フェンダーの様にCシェイプ等との区別はなくて、比較的指板サイドまでなだらかなタイプです。落とし気味にするとVシェイプで残し気味だとフラットシェイプになります。
お好みの形状をご指定いただいたりサンプルをお預かりして同じ形状にする事も基本仕様でうけたまわります。厚みは基本仕様以下の極薄の部類のネックの製作もうけたまわりますが、その際には補強のカーボンを仕込みますのでこちらは追加料金になります。
基本仕様の厚みでも0.010〜以上のゲージをお使いで低めの弦高をお好みでしたら同様にカーボン補強をお勧めしています。逆に厚めのグリップははボルトオンのネック材の厚みを考慮しますと上限は26mm程度になります。Uシェイプでも完全な「丸太」な感じです。
同一の形状でナット幅や厚みの変更をお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、サイズが変わると全くの同一の形状には出来ません。その際にはそのグリップのどの辺りがポイントになるかを伺って同じイメージのグリップになるように加工させていただきます。非対称グリップ等も基本仕様で可能ですが、あまり特殊な形状の場合には追加工賃をうけたまわるかもしれません。お見積もり時にご相談させていただきます。
次に指板についてですが、DG工房のギターはメイプルも貼り指板が基本仕様になります。1Pは追加料金をうけたまわります。基本仕様ではメイプルまたはローズのいずれかを選択いただけます。その他ご希望される材が入手可能であれば基本仕様との差額をうけたまわります。近年エボニーは良質なものが少なくなり真っ黒な材は希少になっています。出来る限り綺麗なものをご用意いたします。
指板のRはギブソン系の305Rを基本仕様にしています。こちらは成毛先生が最も手首の負担が小さいとしてシグネーチャーにも採用しています。ST314は同様ですが、STMシリーズ以降はフェンダーの基本の240Rになっています。基本仕様で他に選択いただけるのは180R、355R、400Rが可能です。
そしてフレットも基本仕様ではミディアムジャンボですが、ヴィンテージフェンダー系のノーマル、ギブソン系のジャンボ、ジムダンロップ6100と同等のエクストラジャンボの4種類から選択いただけます。ステンレスフレットやメーカー等のご指定がある場合には差額と工賃を別途うけたまわります。
もう一点、ポジションマークも基本仕様は6パイでパール、アバロン、ブラックのいずれかをご指定いただけます。4パイ、5パイも選択可能ですが、追加料金が必要な場合もありますのでお見積もりの際にお問い合わせください。ポジションマーク無しも選択が可能ですが金額は変わりません。サイドポジションは1.5パイか2パイのブラックまたはホワイトです。
Luminlayもうけたまわりますのでお問い合わせください。それ以外にブロックポジションやディッシュ、シャークティス等の特殊ポジションも基本のドットポジションとの差額と工賃5,000円〜になります。
ネックの製作はご指定の無い場合はナット幅40mm1フレット19mm厚12フレット21mm厚のUシェイプで指板はメイプルまたはインディアンローズの305R でミディアムジャンボフレットに6パイパールドットポジションなります。太字の6つの仕様は製作をご依頼いただく際に指定の範囲でしたら追加料金無しで変更いただけます。
指板エンドの形状はストラト同様ですが、フレットと平行の角エンドも選択いただけます。また、ストラトタイプの場合は22フレットが基本仕様ですが、ご希望でしたら21フレット仕様での製作も可能です。こちらも料金の変更はありません。
ヘッド形状につきましては、ストラトタイプですのでフェンダーヘッドのご希望が少なくありません。ですが意匠の問題がありますのでコピーヘッドでの製作はうけたまわりません。お客様のデザインで製作をする場合は8,000円追加からになります。形状により料金は変わります。
本来は厳しいのだと思われますが、ラージまたはスモールを元にしてスケール分縮小してアレンジしたザウルスヘッドのご用意もあります。こちらは追加工賃4,000円でうけたまわります。元々はお客様のデザインされた形状ですが、ご好意により選択可能な形状に加えさせていただきました。STMにもラージヘッドバージョンが存在しますが、こちらも違和感無く’70年代モデル風になっていると思います。
STMにザウルスヘッドです。右はスモールバージョンです。 ネックは1P仕様です。以前はリバースヘッド用としていた形状です。 下はPTカーブドトップの試作の画像になりますが、ストラトタイプの基本仕様のヘッドの形状は上の6連になります。現在は先端部分が丸く少し大きめの形状に変更しています。下の両連ヘッドも基本仕様で可能ですが、通常のストラトタイプにはあまり合わないかもしれません。その他には学生だった頃にIbanezをH風?にアレンジしたインスパイアー系ヘッドもあります。
上はマッチングヘッドで下はブラックですが、こちらも追加工賃で可能です。ブラックはウッドバィンディング仕様ですがこちらは5,000円追加になります。ブラックのヘッドはペグを取り付けておりませんので解りにくいですが、6連ヘッドと同様に弦はストレートに張られます。
角度無しヘッドとしてご案内しておりますが、当工房のヘッドにはナットからヘッド先端にかけて3mm程度下がるように角度がついています。GOTOH製のH/A・P・Mと同程度下がる感じになりますので、ストリングリティナーの取り付けは必要ありません。見た目もスッキリしますし無い方がアーミングのチューニングのトラブルの要因が少なくなります。
ヘッド形状でかなりイメージが変わります。 文字の多いページになってしまい申し訳ありません。基本仕様のネックはSTMと同等をイメージしています。、ご希望がありましたらナット幅・グリップ形状と厚み・メイプル指板またはインディアンローズ指板・Rのご指定・フレットの種類の5つが基本仕様で選択いただけます。オーダーで製作いただく場合には概ねお気に入りのネックと同じにする事が出来ます。
また、追加料金が必要になりますが、ヘッド形状やバィンディング等も選択いただけます。ヒール形状につきましてはボディの仕様についてでご説明させていただきます。画像のPTはネックの仕様未定でマホガニーの角度無しをご用意しております。上の画像のヘッドの何れかでナット幅は43mm〜38mmの間でグリップ形状・指板・フレットを選択いただく形で製作をうけたまわります。コントロール等は画像の通りでトレモロは基本仕様の10.5mmピッチのシンクロ等DGストラトタイプの基本仕様になります。ケース付で180,000円程度を予定しています。
とりあえず概ねSTMと同等のネックのギターが欲しいお客様がいらっしゃいましたら仕様変更やトラブルで在庫になったネックを修正したりビルドネックで製作はいかがでしょうか。概ねSTMネックと近い仕様で現在2本のご用意があります。
上の2本がミディアムスケールでナット幅が40mmでグリップは基本仕様より若干薄めのUシェイプです。一番上はインディアンローズ指板でパールドット、ミディアムジャンボフレット、真ん中はエボニー指板でアバロンドットでエクストラジャンボフレットです。詳細は後ほどページをアップしてご案内します。
少し短く見える下のネックはショートスケールでナット幅が38mmの少し特殊な仕様です。パールドットでノーマルフレットになります。単体での販売はいたしません。ネックに合わせてストラトタイプ等のオーダーをお待ちしております。価格は販売のページをアップして発表します。
文章が長くなってしまいました。ボディにつきましては、次回にしてネックの販売ページと一緒に更新します。 ’18 2 26