∞ ネックについて ∞
ネックの構造的なところはSTMと同じで、ロッドの調整はヘッド側から調整できる様になっています。構造はロケットナットと同じですが、1Pネックのダボに穴をあけた感じでレンチをさし込むようになっています。
その為、ローズ指板ですが、グリップ側にはスカンクラインが入っています。ヘッド側にナットを出すにはグリップ側から仕込む必要があります。
STMはネックポケットの側にシリアルが入りますが、サンプルとなったST314の時期はヘッドにシリアルがあります。ロゴは現行のST−○○Mと同じシルバーに黒の縁取りのものです。
ネックのエンド部分に、7−12.85と鉛筆で書いてありました。オールドフェンダーにならって製作者が記入したものかもしれません。日付だとすると、このST314は85年製という事になります。もっとも、組み込まれたのはもっと後の可能性も少なくありません。
ナットはカーボンで幅は40mmです。指板エンドの幅も10.5mmピッチのブリッジに合わせて約55mmでSTMと同じです。
問題のグリップですが、いわゆるUシェイプで1フレットで約21mm厚、12フレットで約23mm厚でした。STMより2mmほど厚く、現行のものとほぼ同じか若干薄い感じです。
グリップ形状はほぼ現行のモデルと同じ感じで’60年タイプのややフラットな感じですが、エンド幅が若干狭いこともあり個人的にはそれほど厚さは気になりません。ただ、STMのグリップのスリムな感じを求める方には少々太く感じるかもしれません。
上からST314、STM、ST−43Mです。 写真はボディ単体でお預かりしているネックです。グリップ形状以外はほぼ同じ仕様です。現行のモデルはブリッジの変更に伴ない指板エンドで約1mm広くなっています。
∞ 余計な事かもしれませんが ∞
ST314からST‐○○Mまでネックの基本的な仕様はほぼ同じです。グリップについては、STM以外はやや太めの仕様なので、スリムなグリップを求める方々には向かないかもしれません。
現行のミディアムスケールのストラトの仕様でも、グリップの厚さがもう少し薄くなれば、STMのネックを求める方々にも受け入れ易いのではないかと思います。
STM以降はブリッジが11.3mmのノーマルストラトのヴィンテージタイプになってしまったので、ネックエンドの幅が少し広くなりましたが、唯一ナット幅は一貫して40mmのようです。
近年は量産ギターの多くがスリムUタイプのネックを採用している中で、もともと手の小さいプレーヤーの為に製作されたフェンダージャパンのミディアムスケールのストラトキャスターがやや太めのグリップなのは不思議な感じがします。
グリップ以外についても、きつい指板のRだったり21フレット仕様であったりとヴィンテージの仕様なのは80年以降に生まれたギターの仕様としてはちぐはぐな気がします。
ST‐○○Mは当初180Rの指板が240Rに変更された経緯もありますので、グリップをせめて一般的なスリムUシェイプくらいにして22フレットになる事を望みます。なによりも再びカタログから姿を消さなければ良いのですが...。
追記:現行のブリッジは10.8mmピッチではないかとのご指摘を掲示板に頂き、計測したところその通りでした。誤りをお詫びすると共に訂正させて頂きます。ご指摘ありがとうございました。
本当に余計な事だったかもしれませんね。まずはDGが消えない様に頑張らなくてはならないという事でしょうか...。 2003.2.12
うろ覚えの知識と所有するカタログを元にST314について述べてみましたが、誤りや更に詳細な情報がありましたらメール、BBS等でお知らせいただければありがたいです。
2003.2.11