ネックの加工
メイビス(イシバシ楽器)のショートスケールのストラトを手に入れて気になったのはヘッドの形でした。ヘッドだけを見ると気にならないのですが、私は少し大きすぎるように思えたので変えたくなったのです。ストラトのヘッドにするには足りない部分を接いだり大手術が必要です。そしてジョー・ペリーがテレキャスヘッドのストラトを使っているのを思いだし、検討したところ6弦のナット寄りが気になりましたがこのままよりは良いと考え、加工しました。ストラトボディの時は加工したサイド部分だけに艶消しラッカーを吹いて仕上げました。その後フェンダーヘッドのネックを製作して付け替えたため、ショートスケールのテレキャスタータイプの試作に使う事にしたのです。
メイビス製のネックはナット幅は41.5mmで、比較的薄めのUシェイプでしたが、何故かエンド幅が57mmもありました。ブリッジがウイルキンソン(おそらくUSA製)なので56mmで弦落ちも無いはずで、しかも駒は10mm幅でゴトー製のようにベースプレートに溝が無く10mmピッチにする事も可能なので謎の仕様です。グリップもあまり良い出来ではなかったので、エンド幅を56mmにつめて握りも直しました。塗装も艶消しナチュラルでしたが、ジェフベックモデルの仕様に合わせてグロス仕上げにしました。
後日、同モデルが格安で販売されていたので購入しましたが、グリップに関しては非常に良い出来でした。基本的な形状や数値は統一されているのですが、大量生産する工場では基準を満たせば出荷されます。従って一定のレベルはキープしながらも当然ばらつきが生じます。量産モデルは何本か比較して購入するべきだと改めて実感しました。
このようにお手持ちのネックに合わせてボディのみの製作も承ります。その際はネックを送っていただく事になりますが、状態によってはリペアが必要だったり最悪使えない場合があります。送っていただく前に反りの状態や、ロッドの利き具合をご確認ください。お送り頂いたネックが使用に耐えない場合はオーダーをお受けできない場合もあります。また、ボディ単体の製作の場合は取り付けるネックのリペア工賃は割り引きいたしますのでご相談下さい。