製品ファイルVol.3
ムスタング、ショートスケールのストラトキャスタータイプ
〜ショートスケールについて〜
前回はショートスケールのテレキャスタータイプをご紹介しましたが、今回はストラトキャスタータイプとオリジナルもショートスケールを採用しているムスタングと共に取り上げてみたいと思います。
゛スケールについて゛でも説明しましたが、フェンダーのショートスケールモデルはロングスケールの1フレットをナットにしたものと考えて良いと思います。
一般的にも言われていることですが、レオ・フェンダーはエレキギターを設計するうえでとても合理的に生産性を考えていると思います。あくまでも個人的想像ですが、フレットの溝を切る機械もある程度スケールを変更しても対応出来るように考えていたのではないでしょうか。
さらには、フェンダー製のギターを持ち替えた時にスケールが違っても違和感なく演奏できる様にという戦略もあったのではないでしょうか。ギブソンスケールとフェンダースケールのギターを持ちかえるとしっくり来ないと感じる方もいらっしゃいます。
ショートスケールは1フレット移動しただけでフレット間隔は同じ(1フレットにカポタストをつけた状態)なので馴染みやすい気がします。
しかも1フレット少なくなるだけで12フレットで約20mm短くなるのでいわゆるスチューデントモデルには最適です。ちなみにフェンダーのベースのスケールは5フレットからロングスケールのギターと同じです。
〜ショートスケールのストラトキャスタータイプ〜
ちょうどフェンダージャパンからショートスケールのストラトキャスター(ST−38,37S)が発表されました。広告写真を見る限り、以前のSTSとはボディシェイプが異なるようです。おそらくスピーカー内臓のミニギターのチャンプ10シリーズのストラトタイプのものと思います。
偶然にも、ショートスケールにサイズダウンしたDGストラトタイプが組みあがったので紹介させて頂きます。サイズダウンの方法はミディアムスケールの場合と同様スケールの比率でボディサイズを縮小しました。
模型のように単純にサイズダウンするのと違って、ハードウエァは共通のものを使用しますのでなるべく違和感がないように工夫が必要です。さすがにショートスケールだと、コントロール部分はかなりタイトになってしまいます。
フェンダージャパンのSTSは1Vol1Toneでした。2Toneだと写真からも分かる通りかなりノブが寄った感じになります。小さめのノブにするともう少しすっきりした感じになると思います。
前回紹介したテレキャスタータイプではメイビス製のショートスケールのストラトキャスタータイプのネックを使用したのでオリジナルのメイビス製のショートスケールのストラトキャスタータイプもご覧頂きましたが、写真のモデルは所有しているアメリカンスタンダードをもとに図面を起こしました。
メイビス製も同様にサイズダウンしているようで比較するとほぼ同じサイズになりますが、やはりホーン辺りの感じが少し異なります。確認していませんが、メイビス製のショートスケールのストラトタイプはSTSのボディと同じような気がします。
DG製のショートスケールストラトキャスタータイプはやや、6弦側のホーンが太すぎる感じです。もう少しカッタウェイ部分をスリムにしてもいい気がしますです。メイビス製と比較するとやや低音域が出ている感じです。ボディ材は試作なのでバスウッドの4Pを使ったので材質による変化ではない様です。
前回ご紹介したテレキャスタータイプと同じく、思った以上に鳴ってくれたのでDG工房のラインアップに加えました。こちらもストラトキャスタータイプのミディアムスケールモデルと同様に、ネックに合わせたボディのみの製作も承ります。STS、ST−CHAMP10、ST−37(8)Sをお持ちでボディ材の変更等をご希望の方はご検討ください。