〜古川博之シグネーチャーモデル〜

∞ ネックについて ∞

 ネックは板目のメイプル材にローズを貼っています。指板は305Rに加工しています。ポジションマークは6パイのパールです。グリップ形状はDGの標準のグリップの1フレットで19mm厚、12フレットで21mm厚のUシェイプです。

 厚さはSTMとほぼ同等ですが、指板サイドを丸く落としているのでかなりスリムな感じになります。

 ちなみに古川さんにお渡ししたネックは、気合を入れすぎたつもりはなかったのですが、サイド部分は通常のDGUシェイプよりさらに若干スリムかもしれません。

 ナット幅は40mmで22フレット付近は約54mmです。一般的なネックは、ナット幅が42mm、22フレット付近は56mmですので全体的に2mm細くなっています。

 10ピッチトレモロを採用していますので、指板エンドの幅は約53mmまで狭くできますが、ワイルドにプレイしても弦落ちしない様にやや広めにしてあります。

 また、古川さんが所有されているLPの弦間隔が10mmで指板エンドの幅が58mmとの事でしたので、フレットの幅の差が多少なりとも少なくなり違和感なく持ち替えられるのではとも考慮して設定しました。

 DGの貼り指板のネックは゜スポークホィールナット゛を使用しているのでネックエンド側でネックをセットして弦を張ったまま調整できますが、古川モデルも同仕様になっています。

ヘッド形状 ここにレンチ等を差込んで調整します。

 

 ヘッド形状はDGオリジナルヘッドです。ほんの僅かですが、ヘッドには角度が付いています。DGストラトタイプのプロトタイプではテンションピンがなくても問題がなく、古川さんが指定されたスパーゼルの片連ペグはナットから遠い側が低くなっているのでさらに万全です。

 ただ古川さんは0.08のセットをお使いですが、テンションピン無しは0.09以上の弦でしか試していなかったので、用心のためDGストラトタイプのショートスケールで結果が良かったヘッドをナット幅分短くする仕様にしました。

 ナットは牛骨を使用しています。また、古川シグネーチャーモデルは古川さんに製作して頂いた、シルバーのロゴで下に゛HIROYUKI FURUKAWA MODEL゛の文字が入ります。さらにヘッド裏辺りに古川さんのサインを書いて頂くことも考えています。

 基本的なネックの仕様は以上ですが、゛古川モデル゛はさらにやや特殊なスキャロップ加工とフレット形状に加工しています。

 

スキャロップ加工は1フレットから少しづつ深く大きくなっています。

 まずスキャロップ加工ですが、形状はいわゆるリッチータイプと言われるフレット寄りに頂点があり6弦側から1弦側にかけてしだいに深く広くなっていくものです。

 さらに古川モデルの場合は加工するのが全体ではなく、1フレットは3弦から1弦までで1.5mm程度の深さで最終フレットは4弦から1弦まで2mm程度の深さへと次第に深く大きく加工してあります。

 スキャロップ加工はグリップを細くする効果もあります。6弦側は全く加工しないため、1弦側が薄くなっている非対称グリップのような感じになります。

フレットの形状 LP80のフレット

 また、フレットはジャンボタイプを使用しています。古川モデルはそれをすり合わせてワイドでフラットな形状にしています。所有されている’79年のLPの感じがお好みとのことでした。

 幸いDGが所有している唯一のギブソンが’81年製のヘリテイジですが、サンプルでお借りしたSTMのフレット形状と近かったのでそれを参考に形成しました。

 ジャンボタイプのフレットレスワンダーとまではいきませんが、かなり低めでフラットな感じ仕上げています。

 基本的にスリムなグリップにナット幅40mmで10ピッチトレモロを使用しているので指板エンドまで幅が細く、薄くて丸いグリップ形状と合わせてかなり細身のネックです。握った感じは数値以上に細く感じると思います。