〜古川博之シグネーチャーモデル〜

∞ ボディについて ∞ 

 ボディはアルダー2Pを使用しています。サンプルとしてお預かりした古川さんのSTMは軽量でしたので、在庫のアルダー材の中から最も軽量のものを選びました。古川シグネーチャーモデルは出来るだけ軽いアルダー2Pで製作します。

 基本的な外周はDGストラトキャスタータイプです。古川さんはSTMのホーンの形状がご希望でしたのでカッタウエィ部分をアレンジしています。

 STMのホーンはノーマルのストラトキャスターと比べるとやや細く深めになっています。そこでDGストラトタイプのカッタウエィをSTMの感じに変更する際に1弦側のカッタウェイを22フレットまで深くして最終フレットまで楽に演奏出来るようにしています。

 全体の大きさはDGストラトキャスタータイプと同じなのですが、カッタウエィが深くなったことによってさらにコンパクトになった印象です。コンター加工はSTMと同等で’60年タイプの中程度の大きさ、深さになっています。

 ネックポケットにはほんの少しだけ角度がつけてあります。深さはSTMと同等ですが、ブリッジを高くしているお預かりしたサンプルと同じセッティングになるようになっています。

 

画像では分かり辛いですが仕込み角がついています。

 

 ジョイント部分はDGカットですが、古川さんのご要望でプレートではなくブッシュを使用しています。STMのヒール形状を基本に1弦側をより丸くしてハイポジションへのアクセスが楽に出来るようになっています。

 ブリッジは10ピッチトレモロを使用しています。よりアームアップ出来るようにリセスザグリをしてあるのは古川さんのSTMと同様です。さらにアームアップ・ダウンの際にユニットがボディに当たる部分にゴムシートを貼り不要なノイズが出ない様にしています。

 エンドピンはディマジオのクリップロックをお使いになるとのことで下穴をあけていますが、取りつけていません。もうひとつ、ボディ裏のスプリングハンガーの部分のパネルも取りつけていません。

 

DGカット+ブッシュ ヒール部分
左のSTMより1フレット1弦側カッタウエィが深くなっています。

 

 古川モデルのボディは、サンプルとしてお預かりしたSTMの基本的な仕様を踏襲するものになっています。DGストラトキャスタータイプをベースにして、さらに演奏性を高め機能的なデザインに仕上がったと考えています。