DGストラトキャスタータイプのボディについて

ここからはD爺の独り言のようなものですので、気が向いたらお読みください...。

 右側はオーダー頂いたノーマルのストラトキャスターボディにミディアムスケールのDGネックを取り付けたものでで、左がDGストラトキャスタータイプです。いずれもミディアムスケールです。

 並べると明らかに大きさが違うもののそれ程大きな差とは思えませんが、実際にプレーヤーが手にした姿は大きな違いになります。

 あくまでも私の個人的な見解ですが、ストラトキャスターはある程度身体が大きいプレーヤーが持たないと似合わないと思うからです。具体的には身長が180cm程度なくては、バランス的に厳しい印象です。

 そんな訳で私がストラトキャスターのミディアムスケールバージョンを製作するにあたって、ボディのサイズをスケールの比率で縮小するのは絶対条件でした。

 ’99年のジェフ ベックの来日公演を観て、ミーハー心が疼いてオリンピックホワイトのアメスタを購入しました。それを構えた自分の姿を見た衝撃は以前も書きましたが、その後やはり中古でSTM(すでにカタログから消えていました)を入手して、その違いを実感しました。

 私のように身長があまり高くないと、2トーンサンバーストやダーク系のカラーならまだしも、膨張色の白では、まさにギターに持たれている印象です。もちろん、身長以外にも体系や構え方でも随分印象が変わるのですが...。

 先日古川さんがご自身のHPで、STMのサイズは173cmの身長には丁度良いと書かれていましたが、STMをフルサイズのストラトに換算すると古川さんの身長は約178センチになり、上記の条件にほぼ合います。

 ちなみに私が同じ程度のバランスになるには、“DGSSB”でちょうどです。、ソリッドギターの場合は、アコースティックほどボディの大きさ等による影響がないので、気に入ったシェイプのサイズを身体に合わせて変えて製作してみるのも良いのではと思います。

 ロックは見た目の格好良さも重要な要因だと思います。もっとも演奏力があればそんなものはぶっ飛んでしまうとも思うのですが...。


 逆に大きい身体のプレーヤーが小さいギターを手にした場合もあまり見栄えがするとは言えないケースも少なくないように思います。 

 たとえば、BB キングがストラトを構えている事を想像してみてください。大変失礼ながら○○サーカスの一場面かと思ってしまいませんか。

 体格が恵まれていてもミディアムスケール等をお好みの方には、ST−314の様にノーマルボディにスケールの短いネックを組み合わせるのも良いかと思います。

 この場合は、上のノーマルストラトボディにミディアムスケールネックを組み合わせたもののように、ジョイントがスケールが短くなった分ハイフレットはボディに食い込みますので若干演奏性が劣ります。

 右側のストラトがその状態です。元々が21フレット仕様ですので、22フレットにするとやや窮屈な感じになりますが、21フレットですとそれ程違和感無く出来ていると思いますがいかがでしょうか。

 ノーマルストラトボディに、ミディアムスケールのネックをと考えている方にはお勧めです。比較的気軽に出来ますし、何より元に戻すのも簡単です。22フレット仕様でも22フレット以降を短くすれば問題ないかと思います。

 以前もご紹介しましたが、ワーモス社のミディアムスケールネックはノーマルストラト等のボディに付け替えてスケールを変更できます。22フレットは完全にひさし(ツバ)の上になります。S A様のご依頼で製作したDGTLボディは上記のワーモス社のミディアムスケールネックを使って製作しました。

 ノーマルボディで演奏性を損なわずにスケールを短くするにはST−314の様に、ノーマルストラトをベースとしてジョイント位置を調整するカスタマイズが必要になりますし、工賃もそれなりに掛かります。オリジナルに戻すのも逆の作業が必要ですので、ボルトオンの特性を生かしてお気軽にとは言えなくなります。


 Room314を開店以来3年に渡り、ミディアムスケール、ショートスケールのストラトキャスターを中心として展開して参りましたが、古川モデルである意味完結した気がします。

 最後にご紹介したスクエアエッジタイプのボディでバリエーションもだいぶ充実した観があります。まだ幾つかのバリエーションも考えられますので、ご要望があれば製作する事としてとりあえずDGストラトキャスタータイプシリーズの完成とします。 

 DGストラトの製作してきたノウハウを生かしてこの後いくつかのオリジナルモデルを発表予定です。ミディアムスケールを基本として、フルオーダーのエレキギターを出来る限り手軽に製作していただくというコンセプトで運営して参りますので今後もよろしくお願いします。

 2003.10.22