古川氏のSTMについて

 

〜ボディ編〜

 


ネックポケットの画像です。STM−55の文字と共にさらにはっきりと゛LOOLIN’ FOR THE TRUTH゛のジャケットのボディカラーを見ることができます。

 とても軽量である事は先にお伝えしましたが、パーツを取り外してボディのみを計測したところ、1580gでした。

 ちなみに私が所有しているホワイトのボディも計測してみたところ10gも違いませんでした。すでにネックはアッシュボディに移しているので組んだ状態で比較はできませんが、不思議な事にオリジナルの状態でもそれほど軽いとは思いませんでした。

 古川さんのSTMは、最初はホワイトだったそうで2回のリフィニッシュがされている事になります。ポケット部分を良く見るとホワイトも少し残っています。丁寧に作業をされたようで、木地も磨き直されている感じです。

 量産ギターの工程では、平面はベルトサンダー等の機械で磨かれてRや機械が入らない部分を手作業で仕上げます。比較的安いものは1本あたりにかけられる時間は少ないので、平面とRの繋がり部分に角ができているものが多く見られます。

 私のSTMはそんな感じですが、古川さんのSTMのボディはなだらかに形成されています。そのせいもあってか、ホーン部分もより鋭角な感じになっていてボディカラーとあいまって独特の印象があります。

 少しわかりづらい画像ですが、私のSTMと6弦側のホーンを並べて見ました。古川さんのボディはより直線的ですっきりした印象です。

影の様に見えますが後ろは古川さんのSTMです。

 その他大きな改造点といえばトレモロのアップリセス加工があります。こちらもご自身の手で行われているとの事で驚きです。

 ベースプレートの形状に合わせて加工してあるので、ちょっと見ただけではリセス加工している事に気付かない感じです。

 深さはトレモロのベースプレートがボディの面と同じになる程度で、アームザグリでブロックがフルに稼動できる様になっています。

ユニットを外したリセス部分 サドルが限界まで上げられています。

 

 右の画像はユニットを取りつけた状態をネック側から見たところです。セッティングの状態が分かります。コントロールザグリにはボリュームを移動した事に伴なうポットの為に加工されたザグリが見られます。

 その他、アームを動かした時にユニットがボディに当たったりスプリングがハンガー部分で無用の音を出さない様にチューブが被せてあったり、エンドロックス部分を削っていたりとシンクロの性能をフルに発揮できる様に工夫がされています。


ピックガードを裏から観た様子です。

 

  本来は1Vol1Toneですが、ポットをもうひとつ追加してその際にヴォリュームの位置をブリッジ側に移動されています。ピックガードにはもとの穴を丁寧に塞いだ様子が見れます。コントロールはストラトキャスターの1Vol2Toneではなく、2Vol1Toneになっています。ノブは何故か3Volになっています。

 元のVolを移動させてマスターヴォリュームに、追加したものはフロントのヴォリュームにしてオリジナルのトーンはフロントピックアップのトーンになっています。

 スイッチはおそらくオリジナルの3Wayが使われています。ピックアップは、フロントとリアがディマジオのDP−403に変更されています。ミドルはオリジナルのものがそのままですが、ピックガードの面まで下げられているので使用される事は無い感じです。

 拡大画像をご覧頂きながらざっとですが、古川さんからお預かりしたSTMを改造個所を中心にご紹介させて頂きました。

 ご自身の手でいろいろと工夫をされて大幅に改造されたSTMの普段は見ることのできない部分をご紹介できたと思います。オーダー頂いたDGストラトキャスタータイプはこのギターの仕様を基本として、製作しております。オーダー頂いたギターの途中工程は随時アップしておりますので、そちらもご覧下さい。


オーダーギター工程進行状況