ヒール加工(DGカット)について
ストラトキャスターの問題としてハイフレットへのアクセスの悪さを挙げる方も多いと思います。フォークギターと比較すると格段の弾き易さだったとしても、現在はハイフレットを多用するプレイヤーも多く、よりスムーズにフィンガリングするにはジョイント部は障害になります。そこでDG工房製ストラトタイプボディは、4点プレートを使用して(リッチーモデルでは3点プレートを使用していますが)ヒールカットをほどこしています(フェンダージャパンのリプレイスメントパーツを使用しているので゛F゛キーはご愛嬌と言う事で...)。これでだいぶプレイヤビリティが向上しています。もっともオーナーはハイフレはほとんど使わないそうです...。お手持ちのストラトキャスターやボルトオンギターに写真のようなヒールカットをご希望の方はリペア受け付けます。4点プレートをそのまま利用出来ます。詳しくはメールにてどうぞ。
ネックについて
サンプルとDG製ストラトの握り部分です。少し角度があるので見づらいかもしれませんが、グリップの厚さ・形状は同じに仕上げています。ナットの位置がほぼ同じでジョイントがDG製の方が深くなっているのが分かると思います。
16フレットから17フレットになった以上に見えるのは、ネックのヒール部分の加工の違いです。当工房製のネックはヒール部分を強度が保てるギリギリまでグリップ加工しています。オリジナルは13フレット付近でグリップ加工が終わりジョイントにかけてなだらかに繋がっています。DG製のネックは15フレット辺りまでグリップ加工しておりさらにはボディのジョイント部分を斜めにカットしているので(ネックプレートとネックの距離が違います)よりハイポジションにアクセスが楽に出来ます。
よく見るとフェンダー製のヒール付近の握りが少し食い込んでいる感じなのが判ると思います。ヒール部分がかなりなだらかにジョイント部分に繋がっているのにここだけ少し不自然な感じを受けます。逆ゾリ修正説の根拠のひとつです。
ヒールカットがない場合でも当然サイド部分はジョイント部分ギリギリまで加工しなくてはなりませんが、握りの頂点部分はジョイント付近まで攻めて加工してもネック強度を落とす可能性があるだけであまり意味がありません。ハイフレットをプレイする時にその部分に触れる前にネックポケットの下に手が当たってしまうからです。いずれにしても機械や工具が入りづらいところまでちゃんと加工してある量産品は高価なものでも以外に少ないです。手抜きという訳ではなく先に挙げた理由に拠るのでしょうが私は可能な限り加工すべきだと思っています。
もちろん、サンプルギターのようなワイルドなネックがお好みの方のご要望にお答えして完全コピーもいたします。目指すはお気に入りのサンプルネックのポイントをつかんでより以上のネックを造り出す事ではあります。スケール、ナット幅等を変えても同じような感覚をお客様が持って頂けるようなネックを造りを目指しております。さすがに握りに残ったガン肌やエッジの塗料が剥れて凸凹した感じまではコピーできませんが...。
ポジションマークは7φドットの白丁貝にしました。リッチーのネックはスキャロップ加工がしてあり、ポジションの厚みは2mm程度なので当然深く加工してあるハイポジションはところどころ消えてしまっています。オーナーはスキャロップ嫌いなので、ポジションマークだけでもスキャロップ仕様にしてみました。友人だから提案できる事です。もちろん嫌になったらノーマルにする約束です。以外と面白くなりました。離れてみるとスキャロップ加工してある様に見えます。罪滅ぼしとして(?)サービスで最終フレットにイニシャルを入れてサイドポジションは2、4φの白丁貝を入れました。この辺りを自由に選択できるのも、カスタムオーダーならではです。