§ その他のトレモロ §
この後のものは、オプションとしてもまだご紹介していないトレモロで、勿論10.5mmピッチ以下のトレモロユニットです。試作品等に取り付けまして今後ご案内してまいります。
● 10.5mmピッチ2スタッドトレモロ
まだ工房で製作したものにも取り付けていませんが、これも10.5mmピッチのトレモロです。市販されているギターに取り付けられていることもあるのでご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
イナシャーブロックは、先の6点トレモロとほぼ同様で軽量ですが、ベースプレートに厚みがあり重量があるので、全体的には通常のトレモロと同じくらいです。
2スタッドですので、それなりに動作すると思われますが未確認です。リセスも考えているのか、若干ブロックは短くなっています。シンクロとは印象が違いますが、見た目が嫌いでなければ以外に使えるユニットのように思います。
個人的にはテレキャスタイプやLPに合うような印象ですので、それらのトレモロ付きのプロトタイプを製作して試してみる予定です。サイズは、ウイルキンソンよりひと回り大きい感じです。
● 10.5mmピッチフロイドローズライセンス
フロイドローズライセンスで10.5mmピッチのものを見つけました。形状はシャーラー製のコピーのようです。ショートブロックなので、リセスも可能です。こちらも先の2スタッド同様にプロトタイプを製作して取り付け予定です。
ESPから40mmのロックナットが販売されていますので、組み合わせるとSTM仕様のフロイドローズタイプが可能です。
フロイドローズPROは10.2mmピッチであるとメールにてお知らせいただきました。私は10.5mmピッチと記憶していたのですが、それ以前に存在を忘れていました...。情報ありがとうございます。
さて、フロイドローズPROは何度か扱ったことがあるのですが、リセスザグリが大きくて複雑だったような印象です。また、フロイドローズオリジナル等は、正しくは約10.7mmピッチになります。
● ケーラーライセンス
ケーラー製はすでに殆ど入手困難ですが、日本製と思われるライセンス生産されたものは現在でも手に入るようです。私のアバエクギタリストの一人であるロバート・フィリップや同じくキングクリムゾンのギタリストのエイドリアン・ブリューが愛用しています。かなりの重量がある事で独特のトーンがする為か、トレモロレスを愛用していたギタリストもいたと思います。
ダイナミックトレモロのような軽いタッチでフロイドローズ並の稼動範囲があり、調整箇所が非常に多いのも特徴です。その一つとして、弦ピッチも調整できますので、10mmピッチで使うことも出来ます。
レスポール等のカーブドトップ用と、フェンダータイプのフラットトップ用があります。画像はフラットトップ用です。カーブドトップ用は、T・O・Mのスタッドを利用して取り付けるようになっています。何れもザグリが必要ですが、ボディが薄いムスタングでも貫通しない程度の深さです。
ユニット自体が比較的大きくてエンド側に長いので、フェンダータイプの場合はムスタング等のブリッジからエンドまでが長いタイプのボディに合うように思います。個人的にはストラトタイプには若干違和感があります。
ロックナットは、ナットとペグの間に装着して固定するタイプでナット幅もある程度選べるようですが、精度の高いペグで調整すれば使わなくてもいいように思えます。
もちろん、ご紹介した以外でも10.5mm以下の弦間ピッチのブリッジはありますが、入手可能なものがありましたら情報をいただければ嬉しいです。
以前ネック単体で製作したヤマハ製のフロイドライセンスのものは10.5mmピッチでしたし、私の所有しているフェンダーのアメリカンスタンダードのトレモロも10.5mmピッチでした。
また、DGのギターに現在の主流と思われる10.8mmピッチ等のブリッジをご希望でしたら、そちらも製作が可能ですのでお気軽にお問い合わせ下さい。
10.5mmピッチのものを中心にトレモロユニットをご覧頂きましたが、次のページでは、ノントレモロのブリッジをご紹介します。