§ トレモロレス §

 ギブソンタイプとして代表的なものはT・O・Mでしょう。年代によって数タイプあり、若干ピッチが違うようです。数値を調べてみるとABR−1は約10.4mmピッチで、ナッシュビルは10.3mmピッチです。

 こうしてみるとギブソン系は10.5mmという数値は何なのも分からなくなってきますが、微妙に変化していてサドル部分では1弦から6弦の間隔は0.5mmから1mm程度の差があるようです。

 ストップテールピースタイプでオクターブ調整ができるウィルキンソン製のものは、約10mmピッチです。T・O・MタイプのブリッジはRの調整ができませんが、基本的には305R程度になっています。

 T・O・M以外では、ハードテイルが一般的ですが、ゴトー製のものが10.5mmピッチです。ストラトでトレモロが必要ない方にはお勧めです。当然形状はシンクロと交換しても全く違和感がありません。ただし、リペアでシンクロと交換する場合は大掛かりになってしまいます。弦はテレキャスターのように裏通しになりますので、トレモロザグリを塞ぐ必要があります。

 トレモロでもご紹介したヒップショット製のもの約10.5mmピッチです。デザインはトレモロと同じような感じでベースプレートに厚みがあります。実際に手にしていないのですが、ゴトー製よりも重量があるので若干サスティーンがあるかもしれません。

 

ウイルキンソン(GOTOH製)は約10mmピッチになります。

 DGSLTEの基本仕様にしているブリッジは10mmピッチです。こちらは裏通しではありません。エンド部分から弦を通します。エンドがややゴツイ構造になっているのは、正面からボールエンドが見えないようにするのと同時に強度の為だと思われます。

 多少弦の交換が面倒になりますが、目隠し?部分の下に穴を開ければ裏通しにすることもできます。ただ、このブリッジの場合はエンド部分の強度もあることですしこのまま使うのが良いかと思います。ゴトー製のハードテイルよりも安価です。

 裏通しに拘るのでしたら、ゴトー製にこちらの10mm幅の駒を取り付けるのがよろしいかと思います。若干安っぽい感じになりますが機能的には問題ないと思います。下の画像のゴトー製ハードテイルは10mmピッチのサドルに交換されています。

左が10mmピッチで右がGOTHO製ハードテイルです。

 

 テレキャスターのブリッジでは、ゴトー製のハムバッカー様のものが10.5mmピッチです。ハムバッカーのポールピースのピッチに合わせたのだと思われます。同じくゴトー製のシングルのテレキャスブリッジは10.8mmピッチですが、10.5mmの駒に交換しても問題ないと思います。

 GOTOH製のテレキャスブリッジの画像がありませんが、以前製作した愛知県S・A様のテレキャスタイプにテレキャスPUバージョンを使っていますので形状等はそちらをご覧下さい。


§ 弦間ピッチとグリップ §

 今回は、DG工房で扱っているブリッジについてご紹介しました。スケール同様にギブソンと同仕様の10.5mm〜10mmピッチのものを基本仕様としています。

  ギブソンのネックはバインデングの上にはフレットが無いのでその分約3mm幅が広くなっています。DG工房ではグリップを出来るだけスリムにしたいので、ネックの幅はちょうどギブソンのネックからバインディングを取った数値にしています。

 モズライトは10mmピッチブリッジで同じようなコンセプトで製作しているのか、厚みも薄めですが、幅も狭く作られています。22フレット付近で53mm程度だったと記憶していますが、スリムなグリップは指板の幅が狭いことも大きな要因になっていると思います。

 もちろんオーダーの際は、11.3mmピッチでも幅の広い指板でも厚みのあるグリップでもお客様のご希望通りに製作します。カスタムオーダーを手軽にしていただくこともコンセプトの一つです。

2004.7.20