ボディの加工3(ヒールカット)
本来のストラトキャスターはここから穴あけ、磨き工程ですが、当工房のストラトタイプにはコンター加工に加えてジョイント部分を斜めにカットする工程が残っています。
ヒール部分をカットしてプレイヤビリティを高める加工はディジ−のオリジナルではありません。しかし、カットした部分の処理のデザインは特有の形状だと考えておりますので゛DGカット゛と名づけました。
下の写真はカット加工したボディ裏面で左が’56タイプ、右が’61タイプです。形状の治具を作ってなかったため若干形状がちがいますが、カット自体の深さは同じです。ジョイント部分の長さが違うのにお気付きの方もいらっしゃると思いますが、DGストラトキャスタータイプはロングスケールでも製作出来るようにネックポケット部分を長くしています。
詳しくは製品ファイルVol.1のリッチータイプをご覧下さい。製作中のこの2本はミディアムスケールですので’61タイプはポケット部分を16フレットに合わせてカットした後の状態です。
ジョイントは、ストラトキャスター同様に4点プレートを使用します。ボディのジョイント部分の厚さが無くなる事で少なからず剛性が劣ると思われるので、金属プレートで挟み込んだ方がより影響が少ないと考えて採用しています。何よりも見た目にも、イメージを損なわないで演奏性を高められます。
もっともヒールカットにブッシュで固定している製品も数多くあり、実際には問題無いと思います。より演奏性を重視するのであれば、ブッシュを採用したほうが、遥かにハイフレットへのアクセスには有利な加工が可能です。
左の写真を見ると、ジョイント部分の1弦側が全体的に薄くなっているのが分かると思います。1弦側のカッタウェイの裏側はエッジを二股にして、それぞれをなだらかにつなげます。 この段階では、つながりの部分はラフに小刀で形成して木地を磨く時に仕上げます。右はボディ上部から撮影したものです。カットの深さが分かると思います。 黒く見える部分はルーター加工時についたものですが、磨きの段階で落としますので問題ありません。 |