ボディの加工4(穴あけ〜木地磨き)
ストラトキャスターはピックガードがあるので、配線穴は比較的簡単です。弦アースとジャックザグリへの2つだけです。配線のほかにトレモロハンガーとジョイントプレートの穴をあけます。
オリジナルのストラトキャスターには、リアピックアップに配線を通す溝があります。特に必要とは思いませんが、今回はオリジナルに準じてフリーハンドでルーターで溝を入れました。
写真はいずれも’61タイプです。左ではジャック穴からの配線穴とリアピックアップの配線溝が見えます。右はトレモロハンガーから弦アース用の穴とジョイントプレートの4つの穴をあけたのが分かると思います(写真が少し判り辛くてすみません)。
これでボディの加工はほぼ完成です。あとはコンター加工で角張った部分にアールをつけて、全体を磨きます。機械が無い為とても時間が掛かりますが塗装を薄く、美しく仕上げる為にはこの手磨きの工程が重要になりますので手抜きはできません。
磨きあがったボディを並べてサイドから見たところです。’57年のストラトキャスターは゛ブレードコンター゛と言われる深いカットが多いと言われていますが、今回は’61タイプとほぼ深さを合わせて当工房の標準的な深さで仕上げました。
それぞれの年代の典型的な大きさに仕上げていますが、ご希望されるように加工できます。コンター加工は年代によって傾向はありますが、個体差があるので同年製のものでも印象が違います。写真の’57タイプのコンターを深くするといわゆる゛ブレードコンター゛になります。
左が’57タイプ、右が’61タイプです。同じアルダー材でも感じが違います。写真を比べていただくと木材加工のページでカットしたボディ材がストラトキャスタータイプのボディになったのが判ると思います。ボディの木工工程は以上です。次回はネックの工程をご紹介します。